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「自己破産した場合の財産」に関するお役立ち情報

ローンが残っている自動車と自己破産

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年5月30日

1 銀行系の自動車ローン

いわゆる自動車ローンには2種類のものがあります。

一つは、主に銀行が行っている自動車ローンです。

これは、自動車を購入するための資金を借りるものになります。

このような場合には、自動車を担保にした借り入れとなっていることは少なく、通常の借入れと同様に破産手続きにおいても処理される形になります。

2 クレジットカード系の自動車ローン

もう一つは、クレジットカード会社が行っている自動車ローンです。

クレジットカード会社を利用した自動車ローンでは、買主に代わって、クレジットカード会社がまず代金を支払います。

その後、買主はクレジットカード会社に対して、立て替えてもらった自動車代金分を分割で支払うとなっていることが多いです。

このような形態の場合、分割での代金の支払い完了まで、クレジットカード会社等が所有権を留保するとの内容が契約内容の特約として定められていることが多いです。

この特約は、所有権留保特約といい、クレジットカード会社等に留保された所有権は担保権のように扱われます。

したがって、ローンの支払いの途中で支払うことができなくなった場合には、自動車はクレジットカード会社等が引揚げ、引き上げた時点での価格で売却して換金し、ローンの支払いに充てられることになります。

3 自動車ローンと自己破産

銀行系の自動車ローンや、クレジットカード会社を利用した場合でも所有権留保のない場合には、破産者が自動車の所有権を有しているため、自己破産手続きの中で換価されるか、自由財産として認められた場合には自動車の所有を続けることができます。

一方、所有権留保がついた自動車ローンの場合には、所有権はクレジットカード会社が留保しているので、原則として、支払を停止したところで引揚げられ、優先してクレジットカード会社への支払いに充てられることになります。

ただし、クレジットカード会社が、名義をクレジットカード会社にしておく等の第三者に対抗するための条件(これを「対抗要件」といいます。)を充たしていない場合には、破産手続きの方が優先することになるので、銀行系の自動車ローンと同様に取扱われ、自由財産の拡張が認められることにより自動車の継続利用が可能となる場合があります。

4 対抗要件

対抗要件を充たしているかどうか、自動車を継続利用することができるかどうかの判断は、自動車ローンの契約内容ごとに異なってくるため、かなり難しいといえます。

自動車の所有者名義が販売店のままであっても、契約の内容等によっては対抗要件を充たしていると判断されることもあります。

最高裁判例や最高裁判例に基づく実務上の扱いに対する適切な理解が必要となりますので、詳しくは弁護士にご相談ください。

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